サクセスミュージカル『CROSS ROAD~私をたどる物語~』 2010/11/20
作・脚本・振付・演出/安松 良道
第二回記念公演メッセージ photo/鹿嶋 知巳
★CONTENTS★
幼い頃、家族で観にいった舞台がきっかけで、女優になる憧れを抱き成長すると共に、やがて夢を追い始めるようになる主人公、三和。その背景には、意外な真実が隠されていた。家族で観にいった舞台の帰り道、三和の家族は交通事故に遭遇してしまう。その事故で父と二人の兄姉を失ってしまう。残された母と娘の三和は、その後の人生を健気に生きぬいていく。20歳を迎えた三和は女優修行に専念する日々。しかし、何度オーディションに挑んでみても惨敗する日々で、なかなか結果が実らない。才能がない・・・と、自分自身で女優をあきらめる決意を固めるも、未練が残ったまま葛藤する日々を送っていた。そんなある日、バイトの帰りのバスの中で、不思議な男女に遭遇する。三和のことをなぜかよく知りつくしている二人。その二人に誘われるまま、バスは終点。その終着点は『道標』というはじめて聞く停留所だった。その地に降り立った3人。三和は不思議な懐かしさを感じる。実は二人の男女は、事故で亡くした三和の実の姉と兄だった。二人の姉兄に誘われるまま、三和は異次元の世界へトリップしていく。そこは『私をたどる物語』の始まりの場所、その空間は幼い頃、三和が家族5人で最後に観たミュージカルの劇場だっ
た。そのステージで繰り広げられる華やかなエンタテインメントの世界に導かれていく三和。純粋に心ときめかせていた時代に包まれた三和の心は、感動に満たされていく。そして迎えた最後のステージ。姉と兄が、自らプロデューサーに扮して、三和自身を女優に仕立て、エスコートしていく。そして、姉兄はその会場で、公開オーディションを決行し、客席に座っている観客を審査員に任命する。女優の道に突き進むか、あきらめるか、観客の拍手によって判別を試みる姉兄。やがて、現実の世界へ戻る時を迎え、たどり着いたその場所は『道標』バスの停留所だった。しかしそこに、もう姉と兄の姿はなかった。一人取り残された三和は、不安に泣き叫ぶ。そんな三和にやさしく囁きかける声。すぐに父だと悟った三和は父親の言葉を通して、自分自身の過去をたどっていく。苦しい時、悲しい時、楽しいとき・・・、
いつも家族が天から見守ってくれていたことを、あらためて知らされた三和。再び決意を新たにした三和は、オーディション会場の舞台に立っていた。
そしてその結果は・・・。
どんなときも 繋いでいる いつの日も忘れないでよ
君の帰るその場所が この胸にあること
君がたどってゆく物語 私という名の物語
脚本/安松 良道